空が二色になるころ
空が二色になるころ、ゆっくりと歩いていた。
美しい、現実味のないその色の下で、季節を旅するように、音楽を聞いていると、夢を見ているようにぼんやりとしてくる。
自分が自分でないような錯覚。
僕が見ている僕の夢が今の僕かもなんて。
でも、感じる冬の澄んだその空気が、これが現実であることを僕に教えてくれる。
夢を見ているのは、あの空のほうかも知れない。
きっとそうだ。
夕暮れは、空が夢を見る時間。
でも、もうじきしたら、空もただの一色に戻ってしまって、眠りの深くに落ちてしう。
幸せな夢もそこで終わり。
ああ、その前に僕もこの詩を書き終えてしまおう。
夜がやってきてしまう、その前に。